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メディカル・ニュース

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2009年12月号 「2010年のもう一つの改正 "労働基準法"」

 民主党新政権になって事業仕分けや来年の診療報酬改正の行方などが注目されていますが、労働集約型産業である医療機関にとって「労働基準法が改正されること」は、それと同じくらい重要であるということを忘れてはならないでしょう。近年、医療崩壊といわれる現象は決して診療報酬のマイナス改定に起因した経営問題のみならず、「医師不足」や「看護師不足」などに象徴される、「人」の問題が極めて重要なファクターであることをしっかりと認識する必要があります。

 その原因は医師の偏在や卒後臨床研修、7対1看護が原因といわれる急性期病院への偏在等様々な理由があげられていますが、労働問題として捉えると深刻な側面が見えてきます。まず医師当直の在り方や当直明け勤務の問題、ことに1週間あたりの時間外勤務は看護基準にも影響してきます。経営側にとっても時間外勤務は少ないに越したことはありませんし、働く側にとっても過重な勤務は敬遠されます。人手不足の中で止むを得ず双方合意のもとに協定を結び(いわゆる36協定)労働基準法の枠の中で運用されているわけですが、現実には様々な問題があります。時間外手当による割増賃金の増大に伴う人件費率の上昇、あるいは疲労の蓄積による心身のストレスで健康を害し、就労から離脱するケースなども看過できない問題です。

 

○今回の主な改正項目

  1. 時間外労働の割増賃金率の引き上げ(1ヶ月60時間を超えると50%の割増)
  2. 割増賃金の支払いに代えた有給休暇の仕組み(労使協定による改正法の引き上げに代えた有給休暇の付与)
  3. 割増賃金の引き上げに関する労使双方の努力義務(1ヶ月45時間を超える時間外労働に対する割増賃金率の定め等)
  4. 年次有給休暇の時間単位の取得が可能(労使協定により1年に5日分を限度)

等です(詳細は厚生労働省のホームページに記載されています)。

 

○計画はお早めに

現状で最も適用が困難なのは医師だと考えられます。賃金だけでなく、快適な労働環境が求められ、職員満足にも積極的に取り組むことが求められています。来年スタートしてからでは絶対に間に合いません。病院全体で今からどう取り組むのかを決めておく必要があります。看護勤務表やコメディカルや医事課の時間外など簡単には変えられない現状もあります。有給休暇の時間単位の付与がどんな意味をもち、有効に活用できるのか、福利の更なる向上を図りつつ想定される業務への支障をも考慮したシュミレーションを繰り返すなど、病院一丸となって取り組むことがキ―ポイントとなります。

 

MIFコンサルタント 浅田 年愛