高麗大学病院は、2009年7月にJCI認証を受けましたが、これは韓国内ではセブランス病院に次ぐ2番目の認証病院にあたります。近年でも、グローバル医療マーケティング大賞(消化器センター)・経営革新大賞など多くの賞を受賞しており、注目度の高いベストプラクティス病院であるといえます。また、病院へのインタビューでは、特に「経営に力を入れている」との意気込が力強く伝わってくるなど、今後さらなる発展を遂げるであろうことを確信いたしました。
◇ 設立 : 1941年(1991年移転)
◇ 病床数 : 895床
◇ 医師数 : 1,946人
◇ 診療科目数 : 37科
◇ 診療支援部署 : 16部署
JCI認証のきっかけ
以下に示すような外部環境要因分析結果から、院内で取組むべき活動は「医療安全の強化」であるとの考えに至り、結果、JCI認証の受審を決めたとのことでした。
◆外部環境
| 人口1,000人当たり病床数 | |
韓 国 |
8.1 |
OECD平均 |
4.1 |
数値的にみても、韓国ではより多くの患者さんを受け入れられると判断し、当院がその受皿になれればと考えたとのことです。
◆内部環境
韓国では、現状においても、他国と比較して人口当たり病床数は多いのですが、今後も更に政策的な増床は続くであろうとの見方が一般的です。そのような中で、高麗大学病院においては、「規模をさらに大きくすることよりも、患者さんの安全を高める取組に焦点を当てた活動を行うべきだ」との経営層の判断もあって、JCI認証を通して「患者安全を高める仕組みを院内に築く」ことを決めたとのことでした。
JCI認証を通した患者安全に関する改善事例 IPSG
今回の訪問では、JCI認証で重要となるIPSG(International Patient Safety Goal)の項目に関する改善事例についてご説明いただきましたので、何点かご紹介いたします。
① 患者を正しく識別する -統一した患者確認方法-
検査・投薬・採血など様々な診療行為が行われる際に、同じ方法・内容で確認が行われるよう統一したとのことでした。ちょっとしたミスが大きな事故を招きかねない医療現場においてはフローの統一が極めて重要です。
② 緊急時の投薬の安全性を高める -投薬ミスの軽減-
数多くの薬がある中、投薬ミスを減らすための活動として、似た名前や似た発音、似たパッケージの薬を一目で区別出来るように
・ 区別するためのラベルを貼る
・ 似た名前の薬は、アルファベット表記を大文字小文字で区別する
などの取組を取り入れ徹底したとのことでした。
③ 院内感染リスクを低減する -手洗いの徹底-
院内感染リスクを低減させる方法の一つとして、手洗いの徹底を行ったとのことでした。具体的には、手洗いに関するポスターを貼る、人が多く集まる集中治療室付近の手洗い場の数を多くするなどの取組を導入したそうです。また、病院の経営陣が自ら率先して手洗いを行うことで、職員に重要性をアピールする等の工夫も取り入れるなど、JCI認証において、感染管理に対するリスク低減のための取組が極めて重要であることを再認識しました。
おわりに
高麗大学病院では、「何をどのように変えたか」という点について具体的に解説いただきました。韓国を代表するリーディングホスピタルとしてこれまでも、様々な医療機関から訪問を受けていることもあり、丁寧なご説明と自信に満ちた対応が非常に印象的でした。ご協力いただきました高麗大学病院の皆さま、誠にありがとうございました。
(株)エム・アイ・ファシリティズ 小林 未希


