8月6日現在、国内全8708病院のうち2560病院が病院機能評価を取得している。病院数では約3割というレベルにとどまっているが、これを病床数で換算すると6割弱と言う数値に上り、如何に病床数の多い大病院が機能評価認定を取得しているかが、はっきりと見えてくる。
では200床未満の中小病院にとって、機能評価認定を新規取得する意義とは何なのか。
「自分たちのレベルを試してみたい。」
多くの病院から聞こえて来る理由である。自分たちがどの程度のレベルなのか。通常行っていることがこれで良いのか。などを知りたいと言う。地域連携が進化発展しつつあるとは言え、まだまだ各病院が個別単独に動いている状態であり、他の病院と情報交換を行い、比較する機会なども少ないと言うことであろう。病院機能評価は、第三者評価が目的であり、順位やレベルの比較が目的ではない。しかしながら、今までに取り組んできたことを整理し、体系的な評価が行なわれるため、病院としての力量や課題が明確になる。そういった意味では、自分たちのレベルを計りたいというニーズにも応えるものと言えるだろう。
厚労省の平成20年の医療施設調査によると、200床未満の病院施設数は全体の7割にも及ぶ。このように施設数は多い一方で、機能評価認定取得割合が極めて少ない200床未満の病院にしてみれば、差別化を図る上においても機能評価の取得は非常に有意義なものと言える。
取得を決めたその他の理由としては、全職員が一致団結して何かをしたいといった意向も伺える。中小病院と雖も200人前後の職員がいる中、円滑なコミュニケーションをとることは容易ではない。独特の縦割り社会である病院組織において、業務横断的な活動が必要とされる機能評価取得に向けた取組はそれらを改善するための一つのツールとしても活用出来るのである。
現在、私が機能評価の取得支援を担当しているクライアントは、一般、療養を含め、どれも200床未満であり、いずれも今回が新規取得となる病院である。
大病院に比べ、マンパワーが不足する分、各職員への負担が大きくなることは事実である。日々の業務に加えての作業が増え、機能評価認定の有無が診療報酬上も反映されない中、「機能評価認定取得の意義とは何か」をしっかりと認識することは極めて重要になるかと思われる。
機能評価認定取得に関する支援を行う中で、私が特に心がけていることは、あくまでも機能評価認定は通過点であり、認定がゴールではないと言うことである。認定のためだけに実施したことは、継続されず、形骸化してしまう。それでは、次回の認定更新時にも、また新規取得と変わらない活動を一から始めなければならず、職員の意識も下がるし、機能評価認定の最も大切な意義を見失うという非常に不幸なスパイラルに陥ってしまう。
よりよい病院となるため、職員全員が一致団結して、それぞれが今できることを精一杯実施し、継続的に業務改善を行っていく風土構築ができてこそ、職員の士気高揚に繋がるものであり、まさにそこに機能評価認定を取得する最大の意義がある。
夏の終わりに、弊社支援先の新規認定病院より便りが届いた。機能評価認定されたことを地域住民に暑中見舞いとして2万通送付したところ、その反響は予想以上に大きく、それにより職員の顔つき、病院で働くことの誇り・帰属意識というものが見違えるほど変わったというものであった。
確かに日常の業務の中では、小さな変化かもしれないが、中小病院としての取得意義とは、まさに、こうした小さな変化を起こさせることにあるのかもしれない。


