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コンサルティングの現場から

MIFは医療業界への洞察と実践的な経験を基に、多角的な経営コンサルティングを医療機関の皆様に提供しております。

日々のコンサルティングの中から、特に重要な課題を取り上げ、考察していきます。

待ち時間短縮の取り組みの落とし穴

 待ち時間の問題は、患者・病院両者の大きな悩みの一つである。とはいえ軽軽に対策を講じると、思わぬ落とし穴にはまるケースもある。よかれと始めた待ち時間改善の取組が失敗に終わるばかりか、その失敗へのリカバリーが不適切であれば、思いもよらぬ様々な「リスク」が一気に噴出するという危険性を秘めているのだ。

ケース 待ち時間短縮の努力が仇に

神奈川県にあるC整形外科は、待ち時間短縮のために、昨年4月から予約制度を導入した。しかし、待ち時間短縮には繋がらず「予約をしているのに1時間以上待たされた!予約制の意味がないじゃないか!」といったクレームが後を絶たなくなった。予約制導入にもかかわらず、職員もまさに八方塞がりという状況。受付・看護師は日中は患者からのクレーム対応に追われ、本来業務をこなすために時間外労働で対応するようになった。一方、医師には、待ち時間短縮のための努力が課せられ、これが大きなプレッシャーとなってのしかかる。「短時間で終わらせるため、診療を疎かにしていないか?」といった、あらぬ疑いや、実際の投書などで相応のストレスを溜め、体調を崩す医師も出た。この状態を打開すべく、待ち時間調査を行った。しかし、作業に手間取り、業務を圧迫した上に、調査からの改善策は見い出せず、依然事態は好転していない。

point☞

今回の問題点は、その場しのぎの対応をしてしまっている点に集約される。予約制度導入そのものの問題ではなく、予約制度導入前後の対応に問題がある。導入後の時短努力や無効な待ち時間調査なども、その不適切な方法により、改善に至っていない。根本原因が解決しなければ、「患者離れ」や「職員の不満増大」といったさらなる不利益が生じ得ることに留意しなくてはならない。